孤独死の現状から必要な対策を考える

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国立社会保障・人口問題研究所によれば、2030年までに高齢者のうち、75歳以上の世帯は約1.8倍に増え、2060年までには65歳以上の高齢者は全人口の4割を超えると伝えています。
丁度今の30~40代が高齢者になる時代ですね。孤独死は現代において、他人事ではなくなってきています。孤独死についての現状をお伝えします。

孤独死は孤独社会の到達点
孤独死を考える時、孤独とはどこまでが孤独なのかを考える必要があります。孤独死のことを、一人暮らしで誰にも看取られずに死んでしまうことと定義することがあります。一方で、死後2週間以上経過してから発見された場合を孤独死というということもあるようです。
近所に子供がおり、子供が見守りに来ることができていない期間に、死亡した場合も孤独死なのでしょうか。「世界で一番恐ろしい病気は孤独である」というマザーテレサの名言があります。
人は孤独であると感じた時、免疫力が落ち病気になりがちです。ましてや、もともと免疫力のない高齢者が孤独を日々感じているとすれば、孤独死はあって当然の死に方ではないでしょうか。

孤独死は2種類ある?
一人暮らしをすると、孤独死になると思いがちです。孤独死とは一人ぼっちで死ぬことには変わりないのですが、今トレンドになっているお一人様、この人達の死とは全然違うのではないでしょうか。
・お一人様は一人暮らしで経済的に十分自立している
・問題となる孤独死の対象となる高齢者は経済的余裕がない
経済的余裕があれば、民間の介護サービスを利用して、見守りに来てもらうことができます。また、見守り会社に登録しておくことができます。もともとお一人様であった人は、生前から1人を好むスタイルであったのですから、死亡する時も1人で死ぬことに関して、何ら問題はないのではないでしょうか。
エンディングノートに葬儀や納骨方法を記しておけば、思い通りに終活もできるでしょう。問題は、経済的余裕のない人です。

孤独死は高齢者だけの問題でもなくなる時代
就職市場は売り手市場といわれているものの、就職氷河期といわれる、いわゆる今の40代世代の中には納得のいく職場で正社員になれずにいる人もいます。生活費がままならないまま、結婚ができずに孤独に感じている人は高齢者だけではありません。
高齢者の孤独死の対策の現状は、地域ぐるみで見守り活動が実施されているところが多くなってきました。若者はSNSなどで孤独感は減っているものの、SNSの操作ができない一人暮らしの高齢者は、ますます孤独になっています。

一人暮らしでも孤独でないと思うことができる社会を
厚生労働省によると現状は、孤独に感じている高齢者が死亡してしまった時に、早期発見できる方法を地域で見つける活動が多くなっています。
・地域ボランティア
・企業
・民生委員
・水道、ガス、電気会社の集金時のチェック
など
これは現状の対策ですが、根本的な改善にはなっていないのではないでしょうか。
・経済的余裕のない高齢者の保護
・病気や発達障害などで特定の障害ではないが、定職につけない経済的余裕のない中年~高齢者の雇用支援
・インターネットの時代により、在宅での正社員化の推進
現代は、特定の障害者と認定されない発達障害や、病気と認定されない〇〇予備軍で、定職につけない中年~高齢者がいます。この人たちが経済的苦痛を感じることなく、暮らせる世の中にすることが新しい対策として必要なのではないでしょうか。
つまり、経済的余裕があれば、孤独を孤独と感じずに、楽しく暮らすことができるのではないでしょうか。孤独感は生きる気持ちを喪失させてしまいます。これからは、高齢者が超高齢者を介護しなければいけない時代です。困窮の連鎖を断ち、生活苦を軽減する対策がこれからの日本には求められるのではないでしょうか。

孤独死は孤独の最終駅
誰でも好んで孤独死を選ぶ人はいません。核家族化、独身世代が増える将来において、孤独を孤独と感じない社会にすること、つまり年金の充実そして、中年から高齢者の雇用推進が求められています。

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