孤独死に至る病~周囲が出来ることのポイント

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60代以降の孤独死は平成15年~26年の間に倍近く増えています。孤独死に至る病があります。孤独死に必ずと言っていいほど症状がみられる病とは?孤独死を防止するために、周囲が出来る事と共にお伝えします。

孤独死になりやすい人VSそうでない人
60代以上の高齢者の2割が孤独死を身近なものだと感じている様です。しかし、20代以上の単身者はさらに多く、4割以上の人が孤独死を身近に感じており、孤独死を身近に感じているのは高齢者だけではない事は驚くべき事ではないでしょうか。
人は死ぬ時は1人だと言いますが、孤独死が身近だと思う人と思わない人はどう違うのでしょうか。

・1人だと思うことが強いかそうでないか
人間関係は複雑なので、すべての人にとって人間関係がいいという訳ではありません。では人間関係が悪い人は、すべて孤独死を身近に感じてしまうのでしょうか。そうでもないようです。この様な人が孤独死に宿りやすいと言えるのではないでしょうか。
・病気になった時の対処法が分からない
・病気になった時に頼れる人がいない
・病気になった時に頼れる場所が分からない
つまり、病気になった時に自分が不安になり、それを解決する手段、頼れる人がいないと思った時、人は自分に孤独死を重ね合わせるのではないでしょうか。

実際に病気になると、どうなるか?
そのような不安を抱えた人が、実際に病気になってしまったとします。体はしんどい、不安が的中という事でますますパニックになってしまいます。その状況が続くと、どうでもいいという気持ちが先行してくる様になります。
・病気でしんどいから動くことが出来ない
・助けを呼びたいけれど呼ぶ方法がない
・助けを呼びたいけれど経済的余裕がない
・助けてくれる身近な人がいない
お金、人間関係、健康を失った人が頼れる場所を作ることが必要なのではないでしょうか。一方、お金、人間関係、健康を失っても孤独死にならない人もいます。

大切なのは気持ち?
いくら病気をしても、生きていきたいという気持ちがあれば助けを呼ぶ事は出来ます。ある知人の祖父母様は、知人が幼少期の頃よくこんな事を口癖にされていたのだそうです。

・死んでたまるか
祖父母様は日々とても元気だったようです。気持ちがいかに大切かがよくわかるお話だと感動しました。一方、生きていても仕方がないと強く思ってしまうと、助けを呼ぶ事をしなくなりますし、病気を治そうと思う事もしなくなります。
そうなると病気が進行しても放置するので、当然孤独死を招く事になります。

孤独死と一緒にある病気~うつ病
孤独死に至る病とは、うつ病なのです。どうでもいいという状態がエスカレートしたものがうつ病です。うつ病が発症する原因は、人間関係、お金、病気などかも知れません。
しかし、これらの苦痛や辛さとは別に、病気になる前から家族、職場、恋愛、友人などが壊れた為に、生きていても仕方がないと思ってしまう気持ちが小さく芽生えている事も多く、状況が悪くなると小さな気持ちがうつ病に発展するようです。特にうつ病になりやすいタイプがあります。
・孤独感を持っている
・慢性疾患
・失業中
・アルコールをたくさんたしなむ
・睡眠薬を服用している
・配偶者の死を最近迎えた
・日頃から延命治療は望まないと言っている、安楽死を望んでいる
など
これらの場合、より悲観的になりやすくなりがちです。お酒や睡眠薬を過剰に飲むとよりうつ病になりやすくなるからです。慢性疾患の場合も、どうせ治らないのだからと仕事を休みがちになり、悪化する時期が重なれば退職しがちになります。無職になるのでうつ病になりやすくなります。
口癖からもうつ病の傾向が分かります。生きているよりも死んだほうが楽だ、など死んだ方がいいという様な口癖が多くなっているなどすれば、うつ病の傾向がある様です。

生きがいを見つける~地域も協力
あるテレビ番組で、がんを克服したものの、再発におびえておられる人が相談していました。相談された人はこのように答えておられました。

・その状況で幸せを探す
一般的に、孤独になったり病気になったりすれば、不幸だと思いがちです。そして不幸だ、孤独だと思った瞬間、生きがいを失うのはもちろん、前向きになる事すら出来なくなってしまいます。
治らない病気を抱えてしまったり辛い体験をしたりすれば、二度と元気な時には戻れないと思ってしまうからです。そうではなく、たとえ孤独でも病気でも、その状況の中で出来る生きがい探しをする事が最終ポイントです。

・うつ病の傾向のある単身者の発見→うつ病のケア→生きがい探し
生きがいは人それぞれです。多くの人と交わる事で生きがいを感じる人もいれば、好きな事に熱中する事で生きがいを感じられる人もいます。しかし、生きがいを見つけるためには、孤独死に至る病であるうつ病とうまく付き合いながら前向きに生きていく必要がありそうです。
地域ができる事としては、精神対話士や介護福祉士などの協力も得ながらうつ病の傾向のある人を探す事が必要ではないでしょうか。さらに生きがいを探したいと思える支援づくり、生きがいを探している人への支援、コミュニティー、イベントなどがあげられそうです。

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