家族葬

家族葬とは?主な流れから費用相場・葬儀社選びのポイントまで解説

葬儀の形式や規模が多様化する近年、さまざまな理由から家族葬を選ぶ人が増えています。家族葬は、親族や故人との絆が深い方々とともに、少人数で心のこもったお別れを行う葬儀スタイルです。名称に「家族」と付くため、家族だけで行うものと誤解されることもありますが、故人と親しかった方も参列できます。

 

この記事では、家族葬の概要やメリット・デメリット、主な流れなどを解説します。費用相場や葬儀社選びのポイント、よくある質問とその答えも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

1. 家族葬とは?密葬との違い・参列者の範囲についても

家族葬

家族葬とは、親しい方を中心とした小規模な葬儀の総称です。

 

「家族」という名称が含まれることから、親族のみの葬儀と考える方も多くいます。しかし、実際には故人と親しかった友人などを招いても、少人数で行うお葬式は家族葬に含まれます。公正取引委員会の暫定的な定義によれば、親しい関係者のみが参列する、50名未満の葬儀が家族葬です。

(出典:公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書 」/https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/mar/170322_2_files/170322honbun.pdf

 

家族葬の特徴として、参列者の人数や範囲に特定の決まりがない点が挙げられます。故人と深いつながりのあった方々、親族や親しい友人など、参列者をどれだけ招待するかは遺族の意向によります。大々的でなくとも、一人ひとりの想いを大切にした形でのお別れを実現できるのが、家族葬の魅力です。

 

では、家族葬とよく混同される「密葬」とはどのように異なるのでしょうか。密葬は、社葬やお別れの会など、後日一般参列者向けのセレモニーを予定している場合に、事前に遺族や親族を中心に行う葬儀を指します。家族葬は後日のセレモニーの有無に関わらず、親しい人たちと行う小規模な葬儀です。

 

家族葬は、故人と最期の時間を静かに過ごしたい方、親しい関係者と思い出を語り合いたい方、参列者にしっかりとおもてなしをしたい方などに選ばれているプランです。また高齢の関係者が多いため、参列者の負担を軽減する方法として選択するケースも多く見受けられます。

 

2. 家族葬のメリット・デメリット

葬儀のスタイルはさまざまにあり、どの形式にもメリットだけでなくデメリットも存在します。故人と過ごす最期の時間は、一度きりです。だからこそ、メリットもデメリットもしっかり理解し、自分たちにもっとも適した形でのお見送りを選びましょう。

ここでは、家族葬のメリットとデメリットを解説します。

2-1. メリット

【家族葬のメリット3つ】

  • 故人との時間をゆっくりと過ごせる
  • 遺族の対応負担が軽減される
  • 葬儀の総費用が抑えやすい

 

家族葬は、親族や親しい友人など、少人数で行われる葬儀の形式です。そのため、遺族は参列者への気配りや準備にかける時間と手間が減り、故人との思い出を静かに振り返る時間を持つことができます。

遺族と故人の想いを最優先にした葬儀の形を実現しやすく、家庭的な雰囲気の中でお別れできるのもメリットと言えるでしょう。また、小規模な葬儀となるため、飲食費や返礼品、式場利用料などの費用を抑えられる点も魅力です。

2-2. デメリット

【家族葬のデメリット3つ】

  • 予期せぬ弔問への対応が必要となる
  • 親族や知人とトラブルになることがある
  • 香典の収入が少なくなり費用の負担が増える

 

家族葬では、葬儀に参加できなかった方が後日自宅へ弔問に訪れるケースが珍しくありません。弔問を受け入れる際は、香典返しの準備や部屋の片付けといった対応が必要です。

親族や知人から「皆でお別れをしたかった」という不満が出て、トラブルが生じる可能性もあります。また参列者の少ない家族葬では、香典で受け取る額もあまり期待できません。

 

3. 家族葬の主な流れ

家族葬の流れ

家族葬でも一般の葬儀と基本の流れは変わりません。家族葬の主な流れを理解して、スムーズにお別れの儀式を進めましょう。

【STEP1:危篤のお知らせ】 危篤状態に陥ったら、関係者へ迅速に伝える必要があります。余命が分かっている場合は事前に連絡先リストを作成しておくと、人選で迷う必要がありません。葬儀社の情報収集も行っておきましょう。
【STEP2:ご逝去とご安置】 故人が逝去した後、葬儀社への連絡や故人を安置する場所の選定が求められます。自宅や葬儀施設、火葬場が一般的です。故人の安置場所を選ぶ際には、各施設の受入れ条件や面会の可否を確認しましょう。
【STEP3:家族葬の打合せ】 葬儀社との打合せを進め、家族葬の日程や内容を決定します。日程調整時には、関連する機関や施設の都合も考慮が必要です。
【STEP4:お通夜の準備】 日程が決まったら、お通夜に向けた準備を始めます。知らせるべき人への連絡や、棺内に納める副葬品の確認などを行いましょう。
【STEP5:お通夜】 参列者とともに故人を偲ぶ時間です。供花や弔電の送り主の確認など、必要な手続きを確認しましょう。
【STEP6:葬儀・告別式】 故人との最後の時間として葬儀や告別式を執り行い、火葬場へ送り出します。式の流れについてあらかじめ確認しておくと、スムーズです。

無事に家族葬を終えたら、お呼びしなかった方へ葬儀が終了した報告を行いましょう。タイミングはさまざまですが、四十九日法要や喪中のお知らせ、納骨を終えた後などが一般的です。

 

4. 家族葬の費用相場

家族葬の費用相場

家族葬の費用は、多くの方が気になる点です。家族葬の相場は70万~120万円程度とされており、この範囲内に火葬場費用・車両費・飲食代・返礼品などの代金も含まれます。一方、一般葬の平均費用は150万8,500円となっており、家族葬は一般葬より約50万円前後安い傾向があります。

 

家族葬が一般葬より安価になる理由は、小さめの式場で済むことや、料理や返礼品が少なくなるためです。ただし参列者が少ない分香典の金額も増えないため、収支はほぼ同等、もしくは赤字になるケースも珍しくありません。

 

しかしながら、葬儀の費用は地域や参列者の人数、葬儀の場所など、状況によって変わります。また、安い家族葬プランを宣伝している業者も存在するものの、その内容やサービスに注意が必要です。

 

基本プランの中に必要なサービスが含まれておらず、追加費用がかかることで想定以上の金額になる場合があります。安さだけに注目せず、詳しい内訳や条件を確認することが大切です。

 

5. 家族葬のできる葬儀社を選ぶポイント

満足のいく家族葬を行うには、葬儀社の選び方が鍵となります。下記は、葬儀社を選ぶ際に注目しておくべき3つのポイントです。

 

  • 葬儀費用の明確さ

事前に見積もりを出してくれるか、内容が分かりやすいか確認しましょう。総額や詳細な明細、セット内容と追加項目の違いなど、透明性が求められます。疑問や質問を丸め込もうとしないか、追加サービスの説明があるかも信頼できるか否かのポイントです。

 

  • 信頼と実績

葬儀社の信頼性や過去の実績をチェックしましょう。ノウハウや経験を持つ葬儀社を選ぶことで、安心して葬儀を執り行うことができます。

 

  • スタッフの対応

葬儀社のスタッフがどれだけ親身になって対応してくれるかは、非常に重要です。アドバイザーとしての対応能力が高いか、故人の意向に沿った葬儀をサポートする姿勢が感じられるか、しっかりと見極めましょう。

 

葬儀社を選ぶ際は、これらのポイントを中心に、自分たちの希望や価値観に合うところを選ぶことが大切です。

 

6. 家族葬に関するよくある質問(Q&A)

家族葬の質疑応答

最後に、家族葬に関するよくある質問を、Q&A方式で2つ紹介します。

 

Q1:家族葬でも喪主による挨拶は必要ですか?

家族葬における喪主の挨拶の有無は、葬儀の規模や参列者の人数、状況によります。故人の配偶者や親族など、近い関係の方だけでの葬儀の場合、挨拶は省略しても問題ありません。しかし、親戚や友人も参列する場合、喪主が挨拶するケースが大半です。親しい方々のみの場合でも、丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。

 

Q2:お布施はいくら包むとよいですか?

お布施の金額は家族葬であっても一般葬と変わりません。宗教者に渡すお布施の平均は10~20万円ほどです。ただし、お寺との関係性や地域の慣習によっても適切な金額は異なるため、不安な場合はあらかじめ葬儀社や周囲へ確認しておくとよいでしょう。

 

まとめ

家族葬は、50名未満で親族や故人に近い関係者のみで行う葬儀です。参列者の明確なルールはなく、故人の意向や家族の希望を踏まえた上で慎重な選定が必要です。親戚や知人とのトラブルを避けるためにも、丁寧に話し合いましょう。

 

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